2018年3月12日月曜日

ヘッジファンドはインデックス投信に勝てなかった


日経記事(電子版)「バフェット氏の最新助言 冷静でいれば暴落は好機」を参考に投資信託の選び方を記します。

ウォーレン・バフェット氏は、株主への手紙の中で「高い利益を追求するかわりにファンドマネージャーへの報酬も高いヘッジファンドよりも、S&P500に連動するインデックスファンドに投資するほうが高いリターンを期待できる。」と書いています。

そしてそれを証明するため2008年から次のような賭けを行っています。

1 戦いはバフェット氏 VS プロテジェ・パートナーズ社(ヘッジファンド:挑戦者)
2 挑戦者は自分が良いと信じるヘッジファンドを5社選択する
3 バフェット氏は、米バンガード社のインデックス投信(S&P500種株価指数)を選択
4 それぞれが100万ドルを投資
5 勝敗は、10年後、手数料などを控除した利益額の大きさで判定

そして10年後の2017年、この勝負はバフェット氏(米バンガード社のインデックス投信)の圧勝で終わりました。

米バンガード社のインデックス投信のリターン(諸経費を除く)が8.5%だったのに対して、ヘッジファンドのリターンは0.3%~最高で6.5%しかなかったのです。

株主への手紙の中でバフェット氏は「計200人を超すヘッジファンドのマネジャーたちは、経営陣と対話したりアナリストと意見交換をしたりして、何万回と売買を繰り返しただろう」と記しています。

つまり200人を超すヘッジファンドのマネジャーたちのこの10年間の膨大な労力は、結局徒労に終わったのです。

その徒労に投資家の貴重な財産が使われてしまったため、このしょぼいリターンしか得られなかったと言うわけなのです。

一方インデックス投信は儲けるための機動的な運用はなにもしていません。

インデックスに追従するための極めて日常的、事務的な仕事をしているだけで、マクロやミクロの分析など一切する必要がないのです。

ですからインデックス投信の経費率は0.04%と破格の安さになっているのです。

このことから、バフェット氏の言いたかったことは、投資のプロが取っている高い手数料は、それに見合う付加価値はないということなのです。

バフェット氏は、相場環境が悪いとき、個別の企業に集中投資する手法により年率20%超のリターンを上げてきましたが、ヘッジファンドのマネージャー(プロの投資家)を含めてバフェット流投資手法はまねができないので、プロも素人もインデックス投信が最善の投資方法であると「遺言」しているのではないでしょうか。

ファンドマネジャー、アナリスト、経済評論家、証券会社、FPなどがもっともらしく御託を並べ「おすすめの投資信託」を選び出していますが、その80%は「自分が儲かる投資信託」をおすすめしているのです。

したがって賢い投資家は、バフェット氏の助言に従ってバンガード社のETFを選び、後は何もせず、買ったことも忘れてしまうのがベストな投資方法なのです。



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