比較の対象として同じ時期にtopixのインデックスファンドを買った人たちを基準としています。
ここで示す乖離率とは、topixよりもどの程度パフォーマンスがよかったのかを%で表しています。
乖離率が1%ならtopixのインデックスファンドを買うよりも1%儲かったことになります。
基準日は2013/11/1です。
この基準日の価額、topixは1,183.03、JPX日経インデックス400は10651.17を100%としています。
まず最初に2013/11/1以降の乖離率とJNT倍率の推移を見てみます。(グラフ参照)
(JNT倍率=jpx日経インデックス400指数 ÷ topix 右目盛り)
スタート時点の2013/11/1において乖離率は0%、JNT倍率は9倍となっています。
4月までは乖離率が0.2%から0.7%間で推移していましたが、4月7日GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がJPX日経インデックス400指数を採用するとの報道をきっかけに1%を超えています。
JNT倍率も9.1倍前後まで上昇しています。
11月6日にJPX日経インデックス400構成銘柄が発表された直後に先手を打って当該銘柄を買っていた人はtopixのインデックスファンドを買うよりも1.2%儲かったことになります。
では1月、2月・・・6月に買った人たちはどうだったのかを見てみます。
それぞれの月の初日の価額をtopix、JPX日経インデックス400ともに100%にリセット(乖離率0%)して、7月25日現在の乖離率を見てみます。(グラフ参照)
1月が0.8%を超えていますが、2月~4月の間は0.6~0.7%であり、ほぼ横並び状態です。
4月までにJPX日経インデックス400のインデックスを買った人は、topixのインデックスファンドを買うよりも少し儲かったようです。
でもその主因はGPIFの指数採用というイベントで一発当てたのであって、ROE云々はまったく関係がないのです。
したがって5月以降にJPX日経インデックス400を買った人たちとtopixのインデックスファンドを買った人たちとの差はほぼなくなってしまいました。
上のグラフが示すように、乖離率が拡大している時期に買うと儲かりますが、乖離率の差が一定になってしまったら儲からない(topixのインデックスに投資することとまったく同じ)ことになるのです。
これは儲かり企業のPERが高いことと同じで、高いPERの会社に投資しても必ずしも儲からないことと一緒なのです。
JPX日経インデックス400のインデックスファンドは高くなりすぎています。現状ではtopixのインデックスファンドとパフォーマンスの差はありません。
今後公的年金がJPX日経インデックス400を買い始めると思われますが、現状の乖離率とJNT倍率はすでにそれは織り込み済みのレベルとなっています。
したがって私はJNT倍率9.05倍ぐらいが購入の目安と考えます。