2012年7月5日木曜日

儲けたい人のためのETF講座(その5)


もちろんETFにも弱点や欠点があります。

「指数」を丸ごと買うと言っても、現物株バスケットが小さいと「指数」への連動性が悪く乖離が生じ、相関係数も低下します。

最悪は、早期償還となることも考えられます。(これは一般の投資信託も同様です。)

参考
ETFは「指標」に正確に連動しますから、運用の優劣がありません。従ってETFの選び方の基準は「寄らば大樹」とにかく信託財産の規模の大きな、そして日日の取引口数が最も多いETFがお勧めです。

またETFの配当金は再投資ができないため、資金の効率的な運用に難点があります。
(海外ETFはできます。)

そして1口当たりの売買価格が投資信託に比べて高く、売買のたびに手数料が取られるので、積立には不向きです。

でもこれらの欠点はETFの普及と共に改善されるはずです。

なぜならETF普及の最終ターゲットが401K(確定拠出年金)だからです。

401Kに使える商品とするためには、長期の積立が前提であり、現状の投資信託と同程度の使い勝手の良さにしなければなりません。

そのためには売買単位の引き下げ、売買手数料の無料化、そして分配金の再投資が可能とならなければなりません。

現在その方向でETFは着実に進歩しつつあります。
遅かれ早かれそれは実現するものと私は考えます。

ETF普及は現状としてネット証券が積極的に推進しています。

ネット証券は1999年の株式売買委託手数料の完全自由化を契機に飛躍的に成長しました。
現在では、株式の売買代金のシェアではネット証券5社で71%にもなっています。

一方投資信託については郵貯や銀行の窓販により販売チャンネルは多様化しましたが、ネット証券のシェアは伸びていません。
特に新規設定の販売シェアについては1.6%と低迷しています。

そこでネット証券では、株式売買委託手数料の完全自由化に続く2匹目のドジョウ(野田総理のことではありません。)としての位置づけがETFなのです。

ネット証券4社(SBI証券、カブドットコム証券、マネックス証券、楽天証券)は昨年3月投資信託の販売面で協力する「資産倍増プロジェクト」を立ち上げています。

各社ETFの普及を図るための啓蒙活動(セミナーやHPでの解説等)にも力を入れています。

日本でいつごろ売買手数料の無料化や分配金の再投資が可能となるのかは分かりませんが世界的なETFの大きな潮流に抵抗することは困難と思われます。

そうした中で証券取引所の再編も進められています。
東京証券取引所の売買高は2007年の3兆円から1.4兆円に半減し危機的状況となっています。

東証も投資家離れを防ぐため合併による規模拡大とシステムの改善及び魅力化に取り組んでいますが、投資自体がグローバル化しているのですから法規制の緩和(世界標準への対応)と対になった改革が必要です。

政府も貯蓄から投資へと旗を振っていますが、いまのところ何の成果もありません。
少しはサッチャー改革を見習ってほしいものです。

今や世界中の投資マネーの「避難地」に日本がなっていますが、やりようによってはそれらの巨額な資金の一部を東京市場に呼び込むことができるのではないでしょうか。

そのためには規制緩和と東証の品揃え(特にETF)がキーになると思います。




投資や家計全般のご相談についてはこちらをご覧ください。



儲けたい人のためのETF講座(その1)

儲けたい人のためのETF講座(その2)

儲けたい人のためのETF講座(その3)

儲けたい人のためのETF講座(その4)

儲けたい人のためのETF講座(その5)

儲けたい人のためのETF講座(その6)

儲けたい人のためのETF講座(その7)

儲けたい人のためのETF講座(その8)

儲けたい人のためのETF講座(その9)

儲けたい人のためのETF講座(その10)

儲けたい人のためのETF講座(その10補足)

バレッジETFのしくみと危険性について