2010年6月7日月曜日

外貨預金とMMFの比較(その1)

今は超円高です。
理由はよく分かりませんが円の価値が暴騰しています。

常識的には為替はその国の経済力により決まるはずです。
中国のように経済が発展し、どんどん輸出している国の為替は、本来輸出を減らす方向に元高になるはずです。

日本のように経済が停滞し、物の輸出入が赤字の国は円安となり、国際競争力が回復しないといけないはずなのですが。
市場原理がどこかで歪められているとしか考えられません。

ということで、せめて円高のメリットを大いに活用しましょう。

外貨預金の仕組みは次のとおりです。
①外貨預金口座を作る
普通預金(変動金利)と定期預金(固定金利)があり金利が異なります。

②円を外貨(米ドル、ユーロ、豪ドルなど)に替える
このときにTTSで外貨を買います。
TTSとは、顧客が円を外貨に替えるときに銀行が顧客に提示する相場です。

例えば 為替が1米ドル100円だとします。(中値、TTMといいます。)
TTSがTTM+1円とすると、お客は1米ドルを101円で買わないといけません。
1円は銀行の為替手数料となります。

10万円を預ける場合は、10万円÷101円=990.10ドルが口座に入金されます。(この際為替手数料は990円となりますが、銀行によっては手数料の最低額があり、1500円ぐらい取られるところもあります。)

③交換した外貨が外貨預金口座に入り、運用され、利子が付きます。

④満期または中途引き出し
例 外貨元本 990.10ドル
利子    10.00ドル
税金は、通常の預貯金と同じく20%源泉分離課税です。
税金 10.00ドル×TTB×20%=198円
TTBは、顧客が外貨を円に替えるときに銀行が顧客に提示する相場です。
TTMを100円とするとTTB=TTM-1円=99円
円安で為替差益がある場合は、
TTMを150円とするとTTB=TTM-1円=149円
990.10×149円-10万円=47,524.9円(雑所得)
雑所得は給与などに合算され総合課税の対象ですが、20万円以下なら無税です。

○為替予約
外貨預金は為替レートにより、利息は増えても、満期時に円高になっていると元本割れとなります。これを防止するために、満期時の為替レートを予約することができます。
通常円よりも外貨の方が利率が高いので、予約レートはディスカウントされます。(例えば現在が100円なら、3ヶ月先の予約は99円と値下がり(円高)しています。)
この予約の手数料は教えてくれません。予約レートしか教えないのです。
この予約レートにしっかりと手数料が入っています。(たぶん1円以上)

そして為替予約すると解約はできません。
なにがあっても満期まで待つしかありません。
私は、為替予約はあまりお薦めしません。
手数料が高いので、引き出し時期が待てるなら、じっと円安を待つ方がお得かも知れません。
参考
外貨投資に為替ヘッジを付けるべきか?

注意:外貨預金は預金保険制度による保護の対象外です。
そして当然元本割れのリスクがあります。

参考:1年満期の外貨預金金利
三井住友銀行
米ドル 0.01%(為替手数料1円、ネット50銭)
ユーロ 0.1%(為替手数料1.4円、ネット70銭)
豪ドル 2.15%(為替手数料2.5円、ネット1.25円)
楽天銀行(50万円以下)
米ドル 0.35%(為替手数料25銭)
ユーロ 0.28%(為替手数料25銭)
豪ドル 3.47%(為替手数料45銭)

都市銀行は、手数料が2%超にもなるので、3通貨とも円安にならない限り元本割れですね。
楽天銀行は、豪ドルだけ魅力があります。

円高と言っても、銀行に手数料ばっかり取られて、元本割れのリスクがある外貨預金は、止めといた方がよさそうですね。
MMFは次回で・・・

(その2)はこちらです。


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