2010年4月24日土曜日

ファイナンシャル・リテラシー

FPだから言うのではないのですが、日本人は「お金の基礎知識」が欠如していると思いませんか?
恥ずかしながら、私も45歳までは保険のことも、銀行等の利率もほとんど興味も知識もなく、すべて妻に任せていました。

学校で教えられたのは、株式会社、合資会社、合名会社、有限会社があるというだけで、試験に出るから丸暗記しましたが、長い間「株式」の意味が分かりませんでした。

たぶん日本人全員がその程度なのでしょう。だって「会社はだれのもの?」という質問に「社員だ」「取締役だ」「公共財だ」とか議論百出ですし、取締役の仕事が分かっていないし、株主総会についてもシャンシャン総会なのですから。

ちゃんと株式会社の教育を受けた人なら「株主」としか回答しないはずです。
日本は資本主義といいながら、基本教育ではまったく資本主義の原理を教育していません。
昔は社会主義や共産主義の先生が多かったため、教科書からスッポリ抜け落ちてしまったのでしょう。

イデオロギーは抜きにしても、子供たちがやがて就職するであろう株式会社がどのように成り立っているのかは教えなければならないと思います。
銀行に預けられたお金にどうして利息がつくのか、保険は助け合いの精神から生まれたこととか、為替が貿易立国にどのように影響を与えるのか、その原理原則をしっかり理解させることが大切だと思います。

平和を愛する心とか、思いやりとかも大事ですが、社会人として生きていくための基礎知識として「お金の知識」はもっとも基本的なものだと思います。

世の中が右肩上がりの頃には、国民はなんの心配もなく終身雇用に守られ、ただ自分の仕事を一生懸命勤め上げれば、幸福な人生が保障されていましたが、明日の仕事があるかどうか分からない今、何の教育も受けていない人が、自己責任とか言われて、貯蓄から投資へとかけ声掛けられても躊躇するだけです。

また「株」だ「FX」だと聞きかじりの知識で手を出しても、カモネギになるだけです。
今の日本には投資家や起業家が育つ土壌がまったくないと思うのですがいかがでしょうか?